― 観覧席、雨の記憶、そして日常へ ―
祇園祭の山鉾巡行は、何度見ても特別な時間です。
あの音、あの緊張感、通りに満ちる熱気は、写真や映像では伝わりきらないものがあります。
今回は、事前に予約した有料観覧席から巡行を見学しました。
観覧席で見る山鉾巡行

これまで南側・北側の両方の観覧席を利用してきましたが、個人的には南側のほうが落ち着いて見やすく感じています。
逆光になりにくく、山鉾の細部まで目に入りやすいのが理由です。
一方、北側は暑さの影響もあってか、巡行の途中で席を立つ人が少しずつ増えていく印象があります。
最後まで残る人が少なくなる分、静かになる時間帯もありました。
予約をしない場合は、早朝からの場所確保が必要になります。
長時間、同じ場所で待つことを考えると、体力や天候との相談は欠かせません。
やはり心に残る「辻回し」
巡行の中で、やはり目を奪われるのは辻回し。
掛け声とともに巨大な山鉾が向きを変える瞬間は、何度見ても息をのみます。
巡行終盤の新町通りは、迫力があるとよく紹介されていますが、道幅が狭い分、良い位置で見るにはそれなりの準備が必要だと感じました。
偶然通りかかって、というよりは、目的を持って向かう場所です。
2025年は雨の記憶

例年は暑さ対策が重要になりますが、2025年は少し事情が違いました。
この年は雨がちで、雨対策が欠かせない巡行となりました。
近隣のコンビニでは、朝の時点でレインコートが売り切れているところも。
巡行中はおよそ3時間、ほとんど身動きが取れません。
天候に関わらず、事前の準備の大切さを改めて感じました。
解説があることで見え方が変わる
今回は、解説付きの観覧席で巡行を見る機会がありました。
目の前の動きに合わせて説明が入ることで、山鉾や所作への理解が深まり、見えてくる景色が少し変わります。
一方で、お稚児さんの長刀鉾への搭乗や、くじあらためなどの儀式は、テレビ中継のほうが分かりやすい場面もあります。
映像ならではの視点があるのも事実です。
この日は宿泊先で中継を見てから、実際の山鉾巡行を見学する流れとなり、
儀式の意味を理解したうえで現地に立てたのが、印象に残りました。
巡行後、日常に戻る場所

すべての巡行を見届けたあとは、京都八百一本館のセイボリーでランチをとりました。
お祭りの延長というより、日常に戻るための時間、という感覚が近いかもしれません。
地元の方にも親しまれている店で、京都の食材を使った料理が中心。
特に印象的だったのは、4階にある店舗の前に、小さな畑があることでした。
ビルの中でありながら、土の気配が感じられるのが不思議で、京都らしい風景だと感じます。
八百一本館自体が、食材へのこだわりを大切にしている建物で、
買い物をしなくても、見て歩くだけで楽しい場所です。
祭りの熱気から少し距離を置き、気持ちを落ち着かせるのにちょうどよい立ち寄り先でした。
旅の終わりに

帰り道、四条通には懸装品を外した山鉾が静かに並んでいました。
つい先ほどまでの賑わいが嘘のようで、少しだけ寂しさを覚えます。
今年の祇園祭が終わったことを実感しながら、京都を後にしました。

コメント